結婚前じゃなきゃ意味ない!婚前契約書!〜憂うは恥だが役に立つ〜
「逃げるは恥だが役に立つ」というドラマを知っていますか?
超ザックリ説明すると
無職の主人公が「就職としての結婚」をある男性に持ちかけ、2人は「雇用主と従業員」という関係の契約結婚をする…
そんなお話です。
実は私達も契約結婚をしております。
「夫と妻」という関係で、やってはいけないこと、どのような関係を築きたいかなどについて事前に話し合い、契約を交わしました。
その時に作った「婚前契約書」について、今回は紹介していきます。
婚前契約書とは
婚前契約書とは、これから入籍するふたりの結婚生活に関する約束を表現した契約書面のことです。口約束では曖昧にされてしまうかもしれませんが、契約書にすることで、ごまかすことも約束を覆すこともできなくなります。
もとはアメリカやヨーロッパの慣習で、この婚前契約書にあたるプレナップというものを多くの一般人が作成しています。
メリット
法的な効力がある約束事をすることが出来る
法的効力があることで、浮気などの夫婦関係を破綻させるような行動を抑制させることが出来ます。もし、そのような行動があった場合は自分に有利に裁判などを起こすことが可能です。
結婚生活について具体的に深く話し合うきっかけになる
結婚をする前に、お金、結婚後の生活、家事・育児の分担など、2人の間でハッキリさせておかなければならないことは沢山あります。婚前契約書は、それらを話し合うきっかけになる上に、契約にあたって、より深く、より具体的に話し合うことが出来ます。
離婚を避けることが出来る
離婚原因の1位は「性格の不一致」です。婚前契約書を取り交わすことで、勢いで結婚してしまうことを防ぎ、客観的に自分と相手を見つめなおすことができます。
デメリット
話しにくい
すっごく話しづらいです。まず、こういうものがあると相手に伝えることが難しいですし、内容を煮詰めれば煮詰めるほど、相手の見たくないところも見えてきてしまう可能性があります。いずれ見ることになる部分でもあるので、先に見ておいた方がいい場合もあります。
別れの原因になる可能性もある
話し合いの最中で揉めて、お互いが納得いかず別れの原因になる可能性もあります。しかし、ここで別れにまで繋がるカップルは結婚しても永くはもたないと思うので、婚前に価値観の相違が分かって良かったとも言えます。
公的なものにすればするほど費用がかかる
公的なものにすると弁護士や行政書士などに依頼したりすることになるので費用がかかります。私的なものであれば安価に作成可能です。
種類
婚前契約書にはいくつか種類があり、それによって法的効力が異なります。
覚書
ふたりで話し合ったことを箇条書きにして書面に残しておきます。
2部作成し、日付を記入し、ふたりで署名・押印すればいつでも作成できます。
内容は日常の小さな決まりごとでも何でも大丈夫です。
簡単に作ることはできますが、法的な拘束力はあまり期待できません。
法律に則った正式な書面
法律に則った正式な契約書です。
自分たちでも調べれば作成可能ですが、弁護士や行政書士なとの専門家に依頼したほうが有効な契約書を作成することができます。
違反した場合の罰則を設けたり、法的拘束力という点では覚書よりも効果が期待できます。
私達はこれを自分で作成しました。
公正証書
公証役場にいる公証人が作成する公文書です。
法的効力としては上記3つの中で一番高いです。
公正証書のメリットの一つは裁判を行うことなく強制執行が可能になるという点です。
通常は、決められた金銭の支払がなされない場合、裁判をしなければ回収できません。
しかし公正証書で金銭支払の取り決めがなされており、相手がこれを拒否する場合は、裁判を行うことなく相手の給与、財産を差し押さえることができます。
これは相手にとっても大きなプレッシャー・抑制力になりますし、裁判の手間、費用が省ける点でも非常に大きなメリットといえます。
結婚後は契約できない
結婚後は同じような契約をしても、民法によりどちらかが「やめた」といえば契約をなかったことにできます。
しかし、婚前契約の場合は、お互い法律上他人の状態で契約するので、通常の契約行為と同じように違反すれば訴えることができます。
それだけによく考えずに契約してしまうと、結婚後本当に何かあったときに困ることになります。
盛り込む内容
法を犯さない限り、お互いのことについてなんでも自由に書くことができます。カップルそれぞれが、自分たちの目的に合わせた契約書を作成することができます。ここでは、盛り込んだ方が良いものについて紹介していきます。
結婚後の2人の関係性に関するもの
お互いが結婚後どのような関係を築きたいと考えているのか、どのようなことをされるのは嫌かなどを話し合いましょう。
・食事がいらない場合は必ず連絡を入れること
・お互いの許可無く、勝手に人を連れ込まないこと
・月に1回はデートすること
など、より具体的にすることで約束を守りやすくなります。
財産について
お互いの収入・貯蓄、結婚後の家計などについて話し合いましょう。今後、仕事はどうしたいかも聞けるといいですね。
・家計は一括管理するか、別々管理か
・生活費の負担内訳はどうするか
・どのような形で貯金を行っていくか
・仕事は共働きか専業主婦(主夫)か
など、細かいところまで話し合いましょう。
実際に全てを契約書に盛り込まなくても大丈夫ですが、お互いに共通認識を持っていることで後々困る可能性が低くなります。
また、
・5万以上の買い物は相手に了承を得ること
・ギャンブルはしないこと
・借金はしないこと
などお金に関する禁止事項も決めておくと、大きな問題に発展しにくくなります。
家事・育児に関すること
お互いが家事育児に参加するのが当たり前であることをまずは認識しましょう。どちらかだけに負担が偏っていると不満がたまりやすく、喧嘩に繋がりやすくなります。特に育児に関しては、二人の子供なので積極的に育児には参加して欲しいなどしっかり伝えておくことが大切です。
ライフスタイルも時が経てば変わってくるので。契約書へは本当に大事だと思うところのみ盛り込むと良いでしょう。
親族・友人との付き合い方
介護や同居についてや、友人と遊ぶ頻度についてなども重要です。
介護や同居についてはまだまだ先のことと思っているかもしれませんが、トラブルになりやすい問題ですので、自分はどのように考えているのかしっかり伝えましょう。
友人との付き合い方については、程々なら問題ありませんが、毎週毎週遊びに行かれては困りますよね。異性の友人についても、どの程度なら許容範囲か先に伝えておくことで不要な喧嘩を避けることができます。
浮気・DVについて
これは絶対に盛り込みましょう。ただし、相手のことを信用していない訳では無いことを伝えた上で話し合わないと喧嘩になりやすいです。
浮気の判定も人それぞれなので、自分の中でどこからが浮気か伝え、相手としてはどのように考えているか確認しましょう。
DVについては、どのような行為がDVにあたるのか確認し、そのような行為は絶対にしないよう契約書に明記しましょう。
ペナルティ(慰謝料)について
離婚に関することを結婚前に話すことは、大抵の人が嫌がると思います。しかし、不倫や浮気などに対する抑止効果としては、ペナルティーについて定める方がより効果的です。悪いことをしたらこんな大変な目にあうぞという内容を明記しないと、抑止力として十分な効果を発揮しない可能性があります。
婚前契約書は前向きなもの
あくまで、離婚しないために作成する書類です。
トラブルになった時の対処法というよりもそうならないために作成する抑止力だと考えてください。
具体的に明文化することで、嫌でもそこに意識がむきます。これを実際に結婚する前に2人で決めていくので、結婚というものが「特別」なものであると意識させ、迂闊な行動を取れなくする、自身の行動を振り替えさせる効果があります。
前向きに結婚を考えていくためにも、この「婚前契約書」は効果的なひとつのやり方だです。カップルによって、書く内容が大きく変わってくるのでお互いが納得いくまでよく話し合って決めましょう。
筆者のコメント
正直、結婚するのに契約が必要な関係ってどうなんだろう、そんな関係なら結婚しなければいいのにとか思われちゃうんだろうなって思います。
私の場合、いろいろな要因はあるのですが、自分の親が離婚経験があったこともあり、そういう問題が他の人より身近に感じていたこと、何より自分が幸せな結婚生活を築けるとは思えなかったことが契約に踏み切った大きな要因でした。
誰にでも起こりうる問題だと感じてしまうんです。
離婚した両親だって、きっと結婚した当初はそんな結末が待ってるとは思ってなかったはず…
じゃあ、私の場合は?
パートナーのことは大好きだけど、未来なんて誰もわからないし、誰も保証なんてしてくれない。
自分だけは大丈夫とは思えませんでした。
契約書を作ったのはトラブルを未然に防ぐためでもありますが、安心材料が欲しかったのもあります。
もちろん、契約なんかしないでずっと仲良く死ぬまで一緒に居られるならそちらの方がいいと思います。
でも、もし私のような人が他にもいるのなら、今バトルしてでも結婚後のトラブルを少しでも避けたいと会う人がいるのなら、この記事をちらっとでもいいから読んで欲しいです。
そして、少しでも役に立てば幸いです。
最後にひとつ言わせてもらうならば…
今、私は心から結婚してよかったと思っています。
以上です。ありがとうございました!